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専門的な話になりますが、阪神淡路大震災で崩壊した鉄骨構造物(マンション等)の意外な破壊原因を聞きました。
鉄骨で柱・梁などを構成するとき、溶接することが大部分です。
地震によって崩壊した柱を調べたところ、柱の溶接部ではなく、そこから離れた個所から破断していたそうです。
言ってみれば、一本の鉄骨の途中が折れている。こんなところで何で?と見てみたら、そこに小さな欠き傷があったそうです。
実はそこ、仮設ピースの跡だったのです。
建設中だけに必要なピースというのは結構あるのです。
建設現場の建物に緑色のネットが掛けてあるのを見たことがありませんか?あれは安全ネットと言って、現場から外へ金具や工具などが落ちないよう、ネットで防護しているんです。
そういうネットを取り付ける為のピースとか、タラップとか、建設中に必要なピースを、仮設ピースと言うのです。
仮設ですから、建物が完成すれば必要ないので、そこは切り取ります。(邪魔にならなければ、そのままにしている場合もあります)
仮設ピースは溶接で付けてあるので、切り取るとき、柱に小さな欠き傷を付けてしまうときがあります。ほんの小さな傷。通常ならば、ほぼ影響はありません。
しかし、震災のような大きな力が掛かったとき、そこに応力が集中して破壊に至ったというわけです。
そんな小さな傷が原因か?と思われるかもしれませんが、鋭い欠き部分に応力は集中するのです。
小さな亀裂が入った紙を引っ張ってみて下さい。その亀裂部分から破れるでしょう。それが応力集中です。
物理で習ったと思いますが、応力σ=P/A 断面積Aが小さい程、応力は大きいのです。
地震や台風などの天災が起きた場合でも耐えられるように、溶接もきちんと基準があります。しかし、こういう仮設物は対象になっていません。仮設ですから、一時的なものと捉えられているからです。
阪神淡路大震災を機に、建築や土木関係の基準の見直しがありました。
それも、こういう実体験が生んでいく技術の進歩です。
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