桜梅桃李

昨夜、pixivに劇場版BASARA予想ネタマンガを上げました。何とか間に合った～
今日公開ですから、ギリギリです。
あ、毛利さんは生きているっぽいですね！　ビックリ


プリンセス・トヨトミを見てきました。
以下、感想ですがネタバレになりますので畳みます。
全体的に辛口です。

まずお断りしておきますのが、原作を読んでいません。
ですので、「原作は違う」と思われる部分も出てくると思います。そこは御容赦を。

先に全体感想を述べますと、テーマと設定が噛み合わないということです。
この作品で訴えたいことに対して、設定が大きすぎる。
逆に言えば、設定に対して、テーマがチャチ。こんな大風呂敷広げといて、理由はそれ？という感じです。
これは先に設定を考えて。で、テーマを後付けしたんじゃないかと感じました。
確かに設定は面白いです。大阪がひとつの国であるという。
大阪夏の陣から400年、密かに機能していた大阪国。その国が護るのは、豊臣の子孫。
歴史ファンタジーとしてワクワクします。前半は楽しめましたよ。
ですけど、大阪国国民の感覚がわからん。一体誰だかわからない豊臣の子孫を護りたいと思うか？
国の成り立ちとして、生き残った唯一の豊臣の血筋・国松を護るために少人数で作ったというのはわかります。それに賛同して人数が増えていったというのも、わかります。
ですが、時が流れて誰が豊臣の子孫であるのかわからなくなった。それでも護りたいと思うか？　中には、本当に豊臣の子孫はいるのか？と疑う者も出てくるでしょう。
松平が問うたように、馬鹿げています。
この問いに対する真田の答えは、「父親の言葉だから」
そうか～？　彼の言い分に説得力が無いのですよ。
夢はあるけど、人を動かすような力は感じません。寧ろ松平のセリフのほうが説得力あります。
とにかく、賛同する人間が多すぎるんです。その理由では。
つまり、設定が大風呂敷。秘密を護る人間の数が多すぎます。
大阪がひとつの国であるという設定にしたいのなら（この設定自体は面白いです）、もっと人が動く理由。
例えば、豊臣の隠し財宝を護っているとか。使い古されたネタですが。
この財宝が国の財源となっている。それを日本が横取りしようとしている。だから皆で護るという理由です。
これなら、日本からの援助も要らない。
そう！　松平のセリフに一番共感したのは、大阪は国の税金を使っているくせに、自分たちの言い分を通す。矛盾している、というところです。属国と称されても仕方ないのではないでしょうか。
国の補助を受けてないのでは会計監査院も入ってこないので、そもそもお話が成り立たないというのであれば、旭を使うことができます。
旭個人の目的は、大阪国を表沙汰にすること。だからわざと、今度来る会計検査院は、実は日本が豊臣の財宝を狙って送り込んだスパイだと大阪に密告し騒動を起こさせるように仕向けた、という風に作れます。

また、キャラクターの命名も引っ掛かる。
結局はほとんど関係ありませんでした。あの戦国武将をもじった名前は。
単なるモチーフなら、それはそれで構いません。大阪を護るのは、嘗ての西軍。そしてやって来る会計検査院は徳川。
わかりやすい対図なので、それでこういう名前にしました、というのなら、そうですねで済みます。
でも変に大阪の陣を絡めてあるので、歴史的な背景を考えてしまうのです。それに関係していたのは、茶子だけでした。
いっそ、暗躍した旭が、その名の通り旭姫の子孫で、豊臣への復讐としたほうが良かったかなーとも思います。兄・秀吉の政略で家康に嫁がされた恨み。

終わらせ方も何だかなあ・・・本当に風呂敷を広げ過ぎて収拾つかなくなって、父子の情で何となく纏めましたって・・・松平も絆されるなよーと思いましたよ。
何度も言いますが、器（設定）が大きくて、中身（テーマ）が小さいのですよ。
父子の繋がりを言いたいのなら、この設定は大きすぎて、大阪国という設定を使いたいのなら、それに見合うテーマが必要と思います。アンバランス。
前半は面白かったのに、種明かし部分に入ってくると萎んだという印象です。
あ、OJOという名前も気になりますね。
その名の通り、王女を護ると言っていましたが、一般的に世継は男子じゃなかろうか。現在は、たまたま女子が子孫なだけで。
OJOは最近出来た組織ではありませんから、この説明は苦しいぞ。
タイトルがプリンセス・トヨトミですから、＝姫となったのでしょうが、このことからも、この作品は先に設定が出来て、後付けテーマになっているなーと感じます。