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試写会が当たって、一足先に見てきました。
小説の映画化ですから、今更ネタばれもないでしょうが、一応記事は畳みます。
試写会には佐々部監督が見えていて、裏話が聞けました。
元々この映画化は5年前にオファーがあって、それから脚本を上げ始めたそうですが、配給元が決まらず2年半前に頓挫しかけたそうです。
何とか角川に決まり、それからまた脚本の練り直し、キャスティングと大変だったそうですが、一番大変だったのは予算。低予算で作った映画だそうで。
その為、苦労したのは撮影場所だそうです。時代劇は太秦などの映画村があるのでそこを利用できるけど、昭和20年という時代を撮影できる場所を見つけるのが大変で、しかも予算が無いからそう遠くに行けない。
撮影自体は1ヶ月半だったそうですが、場所探しに2ヶ月費やしたそうです。
その低予算の為、最初はマッカーサーの部分はカットしようと思ったそうですが、原作の浅田さんがマッカーサー好きなので、やりくりしてハリウッド俳優を映画に入れ込んだそうです。泣ける話だ。
この映画は日本の復興を夢見た名も無き少女たちと教師、彼らの遺志を継いだ生き残った人々の話です。
石巻でも上映会が行われ、監督も行かれたそうですが、現地はまるで戦後のようだそうです。
紆余曲折あって出来上がった映画ですが、もしスムーズに運んでいたら、多分一昨年くらいには公開していたであろうと。
それが、このときに出来上がったのは、何かしらの符号があるのかもしれないと語られていました。
復興に希望を持って、日本国民が一丸となって取り組んで欲しいという願いも込められた作品です。
以下ネタばれ
昭和20年8月10日。ポツダム宣言を受諾するか否かで、日本軍部内は大論争であった。
多くが、「最後まで抵抗する。神国日本が敗れるはずがない。」という意見であったが、近衛師団の真柴少佐は現状を冷ややかに見つめていた。
そして彼は軍首脳陣に秘密裏に呼び出される。
先に到着していた小泉中尉、望月軍曹と共に密命が下される。それはマレーシアで奪取したマッカーサーの財宝を隠匿することだった。
日本がポツダム宣言を呑むことは、上層部ではわかっていた。そうなると日本は敗戦国として連合軍の支配下となる。
その日本がいずれ復興する為の資金として、それまでこの財宝を隠し通さなくてはならない。
但し、軍内で日本が負けるという考えはおくびにも出せない。すなわち、敗戦を想定したこの任務も、極少人数で決行し、情報は決して漏らしてはならない。
3人は切れ切れに届く指令書通りに、砲弾の箱にカモフラージュされた財宝を隠す作業を始める。
運搬に駆り出されたのは、20人の女学校生と教師1名。彼らに真実は知らされず、ただ皇軍最後の武器である砲弾を運ぶのだと言い渡される。
まだ13歳ほどの幼い少女たちは微塵も疑うことなく、お国の為に役立っているのだと健気に作業する。
そうして数日過ぎ、14日。突如轟音と共に彼らの頭上を飛ぶプロペラ機から、多量の紙きれが落ちてくる。それは日本がポツダム宣言を受諾した号外であり、無条件降伏を意味するものであった。
動揺する学生たちに、これは敵の罠であると真柴は叱咤し、何とかその日のうちに作業を終了させる。
その夜、最後の指令とひとつの包みが届く。明日の玉音放送の後、機密保持の為に学生20人と教師を毒殺し、その遺体を財宝と共に隠せというものだった。
密命を遂行した後は、学生と教師は解放するものだと思っていた3人は、この指令に驚愕する。
しかし、命令に背けないと言う真柴に、小泉は猛反発する。真柴を説得し、指令撤回を上層部に掛け合うよう小泉は懇願する。
直ちに真柴と望月は軍本部へと向かうが、密命を下した首脳陣は、近衛師団によって殺害されていた。ポツダム宣言を受けたことへの天誅だった。
更に陸軍大臣官邸へ出向くと、そこで大臣は自決したが、今際に、民間人を犠牲にする命令は下していないと答える。
明けて15日朝。隠匿場所に戻った真柴と望月は、小泉に指令撤回を受けたと伝え、安堵する。
後は玉音放送を聞いた後、教師と学生たちを学校へ戻すだけだった。
正午の放送を聞く気になれないという望月は、風呂場掃除に向かう。そこには学級班長の久枝が黙々と掃除をしていた。
終戦の虚脱感に襲われながらも掃除を続けるふたり。
そのころ、外では真柴、小泉、野口教諭、久枝を除く19人の少女が玉音放送を聞いていた。
泣き崩れる少女たちに、出立まで散会を言い渡し、真柴、小泉、野口は後片付けを始めた。ふと、指令の際に渡された包みが無いことに気付いた真柴が、小泉、野口と共に探すが見つからない。
実は昨夜、真柴と小泉の言い争いをひとりの少女が聞いていて、集団自決を図ったものだった。
隠匿場所である壕の外に、きちんと並べられた学生たちの荷物。騒ぎを聞きつけた望月と久枝も壕に集まる。
真柴、望月、久枝が見守る中、小泉と野口が壕に入っていく。そして響く銃声。毒では死にきれなかった学生を撃ったのだった。
やがて出てきたふたりだったが、再び野口だけが銃を手に壕に入っていく。
この先の日本を生き残った者に託し、教師の務めとして学生と共に行く道を選んだ。
一発の銃声を最後に、壕の入り口は塞がれ、真柴、小泉、望月、久枝の4人は去って行った。
その後、日本を立て直す為に、小泉はGHQに命懸けの経済交渉をし、強硬に突っぱねるマッカーサーの前で、まさしく命を掛けて自害した。
真柴は密命をひたすら守り、望月と久枝は後に結婚し、彼らも口を鎖した。
数年後、隠匿した財宝はGHQに発見されるが、その周りを護るように取り囲んで座っている多数の白骨を見、そのまま閉ざすようにとマッカーサーは指示する。
粗筋は以上です。これに現在を絡めてあります。
戦争映画ではありますが、派手な戦闘シーンは一切出ません。
財宝を隠匿する数日間を淡々と描いているのですが、悲惨さよりも、皆、立場は違っても平和を願う希望が感じられます。
自分たちはここで果てようとも、この遺産(少女たちと教師は砲弾と信じていましたが)が日本を救ってくれると信じていました。
タイトルの「日輪の遺産」とは、財宝のことではなく、こうした戦時下であっても希望を失わなかった人々や、彼らの遺志を継いで復興に力を注いだ人々を指しているのだと思います。
どんなに財があろうとも、それを使う人が育っていないと意味がありません。
確かに戦争によって歪められた教育を強いられたでしょうが、少女たちの朗らかで凛とした姿勢は、今の日本に必要なものと感じました。
国が栄えるのも衰退するのも人次第。だからこそ教育が大事なのです。
多くが、「最後まで抵抗する。神国日本が敗れるはずがない。」という意見であったが、近衛師団の真柴少佐は現状を冷ややかに見つめていた。
そして彼は軍首脳陣に秘密裏に呼び出される。
先に到着していた小泉中尉、望月軍曹と共に密命が下される。それはマレーシアで奪取したマッカーサーの財宝を隠匿することだった。
日本がポツダム宣言を呑むことは、上層部ではわかっていた。そうなると日本は敗戦国として連合軍の支配下となる。
その日本がいずれ復興する為の資金として、それまでこの財宝を隠し通さなくてはならない。
但し、軍内で日本が負けるという考えはおくびにも出せない。すなわち、敗戦を想定したこの任務も、極少人数で決行し、情報は決して漏らしてはならない。
3人は切れ切れに届く指令書通りに、砲弾の箱にカモフラージュされた財宝を隠す作業を始める。
運搬に駆り出されたのは、20人の女学校生と教師1名。彼らに真実は知らされず、ただ皇軍最後の武器である砲弾を運ぶのだと言い渡される。
まだ13歳ほどの幼い少女たちは微塵も疑うことなく、お国の為に役立っているのだと健気に作業する。
そうして数日過ぎ、14日。突如轟音と共に彼らの頭上を飛ぶプロペラ機から、多量の紙きれが落ちてくる。それは日本がポツダム宣言を受諾した号外であり、無条件降伏を意味するものであった。
動揺する学生たちに、これは敵の罠であると真柴は叱咤し、何とかその日のうちに作業を終了させる。
その夜、最後の指令とひとつの包みが届く。明日の玉音放送の後、機密保持の為に学生20人と教師を毒殺し、その遺体を財宝と共に隠せというものだった。
密命を遂行した後は、学生と教師は解放するものだと思っていた3人は、この指令に驚愕する。
しかし、命令に背けないと言う真柴に、小泉は猛反発する。真柴を説得し、指令撤回を上層部に掛け合うよう小泉は懇願する。
直ちに真柴と望月は軍本部へと向かうが、密命を下した首脳陣は、近衛師団によって殺害されていた。ポツダム宣言を受けたことへの天誅だった。
更に陸軍大臣官邸へ出向くと、そこで大臣は自決したが、今際に、民間人を犠牲にする命令は下していないと答える。
明けて15日朝。隠匿場所に戻った真柴と望月は、小泉に指令撤回を受けたと伝え、安堵する。
後は玉音放送を聞いた後、教師と学生たちを学校へ戻すだけだった。
正午の放送を聞く気になれないという望月は、風呂場掃除に向かう。そこには学級班長の久枝が黙々と掃除をしていた。
終戦の虚脱感に襲われながらも掃除を続けるふたり。
そのころ、外では真柴、小泉、野口教諭、久枝を除く19人の少女が玉音放送を聞いていた。
泣き崩れる少女たちに、出立まで散会を言い渡し、真柴、小泉、野口は後片付けを始めた。ふと、指令の際に渡された包みが無いことに気付いた真柴が、小泉、野口と共に探すが見つからない。
実は昨夜、真柴と小泉の言い争いをひとりの少女が聞いていて、集団自決を図ったものだった。
隠匿場所である壕の外に、きちんと並べられた学生たちの荷物。騒ぎを聞きつけた望月と久枝も壕に集まる。
真柴、望月、久枝が見守る中、小泉と野口が壕に入っていく。そして響く銃声。毒では死にきれなかった学生を撃ったのだった。
やがて出てきたふたりだったが、再び野口だけが銃を手に壕に入っていく。
この先の日本を生き残った者に託し、教師の務めとして学生と共に行く道を選んだ。
一発の銃声を最後に、壕の入り口は塞がれ、真柴、小泉、望月、久枝の4人は去って行った。
その後、日本を立て直す為に、小泉はGHQに命懸けの経済交渉をし、強硬に突っぱねるマッカーサーの前で、まさしく命を掛けて自害した。
真柴は密命をひたすら守り、望月と久枝は後に結婚し、彼らも口を鎖した。
数年後、隠匿した財宝はGHQに発見されるが、その周りを護るように取り囲んで座っている多数の白骨を見、そのまま閉ざすようにとマッカーサーは指示する。
粗筋は以上です。これに現在を絡めてあります。
戦争映画ではありますが、派手な戦闘シーンは一切出ません。
財宝を隠匿する数日間を淡々と描いているのですが、悲惨さよりも、皆、立場は違っても平和を願う希望が感じられます。
自分たちはここで果てようとも、この遺産(少女たちと教師は砲弾と信じていましたが)が日本を救ってくれると信じていました。
タイトルの「日輪の遺産」とは、財宝のことではなく、こうした戦時下であっても希望を失わなかった人々や、彼らの遺志を継いで復興に力を注いだ人々を指しているのだと思います。
どんなに財があろうとも、それを使う人が育っていないと意味がありません。
確かに戦争によって歪められた教育を強いられたでしょうが、少女たちの朗らかで凛とした姿勢は、今の日本に必要なものと感じました。
国が栄えるのも衰退するのも人次第。だからこそ教育が大事なのです。
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矢島秀義
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九州でまったり棲息するナマケモノです。
「大丈夫です! 俺、矢島ですから!」by オダギリジョー
e-mail hide-yajima@hotmail.co.jp
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